鍼灸師としてよりも人として「人生において仕事とは?」と迷っている人は見てください、ぜひ^^
鍼灸師として働ける場所が本当に少ない
先日も鍼灸師の方が見学に来ましたが、本当にコロナ禍もあってか鍼灸師として働くことが難しいようです。
札幌から30分圏の恵庭市でも全然通える範囲という感じで、毎月1、2名の求人の問い合わせや見学者が来ます。
去年はぜひ就職したいと神奈川県からも連絡があり、zoom面接なんていうのも初挑戦しました。
聞けば、都心部でも条件を気にしなければ就職があるが鍼灸師にこだわると本当に働く場所はないと言っていました。
うちは開業3年目くらいから鍼灸学生バイトを入れていますが、当時は探すのも一苦労でした。
今では黙っていても連絡が来るようになったので、ある意味恵まれているなと切に感じています。
ところで鍼灸師の給与ってどのくらいなんですか?
先日入会している中小企業家同友会札幌支部の経営指針勉強会に参加しました。
朝9時からパソコンの前に座り18時までみっちり、なかなかハードな勉強会でした。
他業種が集まる場なので毎回鋭い質問に冷や汗をかきっっぱなしですが、今回は特に鍼灸業界の核心、給与面について問われました。
登壇中だったというのもあり、遠慮することないと思い切って考えを口にしました。
開業している方なら経験済みだと思いますが、開業時に予め患者さんがいなければ収入は週数万円程度でしょうか。
開業と同時に宣伝などをスタートしようという思考でしたら、身内がお祝いで来る程度で数ヶ月後には売上はほぼゼロになります。
これではまずいとやっと少ない資金から広告に力を入れたり、周辺のお店にパンフレットを置いてもらったり、地域のコミュニティに参加したりと地道な活動をしていきます。
その甲斐があってか徐々に認知されやっと軌道に乗るのは半年から一年でしょう。
ちなみにこの時点まで経営が保てばいいですが、それが難しい場合は介護施設やマッサージ店で働くことになります。
ところが患者さんが増えるとまた問題が発生です。
今までの苦しい経験があるので予約は取れるだけ取るようになり、一人治療院の限界を超える患者が来院します。
結果キャパオーバーになり、サービスが低下したり体を壊す羽目になります。
ちなみに僕はこのあたりで妻と経営の方向性の違いでよく言い争いをしていました。
その時思うことは「何のために働いているのか」
迷走しまくっていますね笑
そしてこういうタイミングに限って、SNSを見ていると心をくすぐる経営セミナーが目に止まるものです。
高いセミナー代を払って学び、単価を上げたりスタッフを増やしたり物販に力を入れたりしていきます。
やっとちょうどバランスの良い働き方に落ち着き、この頃で院長の年収は北海道だと350万円から500万くらいです。
あなたは何のために鍼灸師として働いているのですか?
コンサル業も行っているので今まで色々な治療家に相談されますが、必ず伝えるようにしていることがあります。
それは、人それぞれ成功の形は違うのでどういう道を歩むかを決めるべきと。
というのは、鍼灸師という手段を使って収入を得たいという人は、やはり最後までお金や雇用条件を重視します。
多くの利益を得ることが1番の目的になってセミナー参加していた頃の僕がそれです。
それとは逆に、鍼灸師という手段を使って人を喜ばせたい、悩みを解消してあげたいと思っている人は最後はちゃんと収入が付いてきます。
釧路での修行時代がまさにその時でした。
もちろん先立つものは人それぞれ違いますから、収入を得ることが悪いなんてないです。
ただ言いたいことは、どちらが良いとか悪いとかの話でなく、あなたはどちらを選ぶかということです。
いまの利益かそれとも未来の利益か、、、あなたはどちらを取りますか?
ちなみに今年入社した新人2名は志を持って入社してきました。
ですから技術習得中だった冬からここまで半年間、休みの日も出勤して頑張ってくれました。
ちなみにその2人がいよいよこの夏に正式にデビュー、これからどんどん施術機会が増え収入も増えていきます。
ちなみに過去入社した人で与えられたことしかしない人がいました。
当然うちとしても戦力にはなり得ないので辞めてもらおうかと悩んでいた時、お客さまからあのような表面だけの人に施術を受けたくないとクレームがありました。
鍼灸師の技術は十分あるのですが、お客さまは人間性を見抜いていたのですね。
そのうち本人から辞めたいという話があり承諾したのは言うまでもありません。
「いま何を得られるかよりも、いまここで踏ん張ってこの先何が出来るようになるか!」
そう冬から頑張ってきた2人を応援しないわけにはいきませんし、お客さまもすぐにファンになってくれると信じています。
鍼灸師の専門学校に入る時どんな鍼灸師になりたいと思っていましたか?
最近入った相談に、「北海道は給与が低いから都心部の条件の良い職場に行ったけど、最後は会社とお金だけの関係になり戻って来ました」というのがありました。
なんで北海道を出る前に相談してくれなかったのかと思いましたが、それもその人の選んだ道ですから尊重します。
ただ北海道をはじめ地方で新たに鍼灸師になった人の多くは地元を離れ、都心部に行く傾向があります。
それは本人の意思だけの問題ではなく、送り出す学校側の思惑やその地元に鍼灸師を雇い入れれる院があまりにも少ないことです。
自分の院経営だけで手一杯だったり、元から後進を育てる意識がない院が多いことも原因でしょう。
ただ道を選択する際に今一度思い出してほしいことがあります。
晴れて鍼灸専門学校に入る1年生の時、こんな鍼灸師になりたい!鍼灸師になってこんなことをしたい!
そういう熱い思いが少なからず全員にあったはずです。
それがいつの間にか卒業し現場に出ていくうちにあの頃の思いや志はどこかへ行ってしまっています。
まだ鍼灸に携わっているならマシですが、全く関係のない仕事に就いている人もいます。
もちろんみなさんそれぞれの理由があるのでしょうから良い悪いはないですが、ただ勿体無い。
そう思うのです。
僕は見学者が来た際は決まってランチをご馳走します。
食事をしながらたわいもない話をしますがだんだんリラックスしてきて、だその人の人間性が垣間見得ます。
見学中に着飾った言葉を並べても、何のために鍼灸師になったのか、鍼灸師としてどんなことをしていきたいのか、そして人生をどう送っていきたいのかが
すぐに見えます。
今うちで働いている人は全員志を持って仲間になっています。
僕もギラギラした横道に逸れたこともありますが(笑)、マーケティングとかのテクニックではなく志や思いを大切にしてほしいです。
そうやって進んでいけば収入はちゃんと付いてきます。